立山Craftが生まれた背景

 立山Craftの開催地である立山町総合公園は、立山町の東部に位置する上東地域にあります。 

この地域には中学校が1校、小学校が4校、各地区に保育園もありました。

しかしながら児童数の減少に伴い、上東中学校は2004年に閉校、各保育園、小学校も順々になくなり、2019年に地域最後の小学校が休校となりました。

 

この中山間地域において、地域コミュニティをつなぐ核であった小学校が無くなってしまうことで、地域力の低下や、さらなる人口減少に不安を感じている住民も少なくなく、世代を超えて多様な地域住民が気軽に集い、楽しめる場の創出が求められています。

 

立山Craftの発起人である佐藤は、地域おこし協力隊という立場で2014年にこの土地に移住しました。

どうしたら新たにこの土地に足を運ぶ人が増えるのか、もの作りの作家や、地方での暮らしに興味がある人たちに、この土地に対する関心を持ってもらうにはどうしたらよいのか?

地域の現状を知る中で、これまでに佐藤自身がクラフトフェアに出店する側でいたことから、「クラフトフェア」の開催が、この土地を元気にするきっかけになると考えました。

 

立山町には、立山黒部アルペンルートを目的に、毎年何十万人もの旅行者が訪れますが、その目的は山岳観光が主で、中山間地に足を運ぶ人は少ないのが現実です。

しかし、この上東地域には、長い年月の中、守り育てられてきた文化や景観があり、本気でもの作りをする作家が暮らす、とても魅力的な土地です。

都市圏で移住フェアを行っても、実際に上東地域に足を運んでくれる方は一握りです。しかし、魅力的な要素が溢れるクラフトフェアなら、沢山の人が集い、その中にはこの地域に関心を寄せてくれる人がいるかもしれない。そうなれば、この土地はきっと良い方向に変わっていく。そんな思いで、立山Craftはできました。

初回は当初予定していた来場者数を大きく上回り2日間で8000人、回を重ねる毎にその数は増え、会場の規模もさらに大きくなっています。この活動を継続していく為に、現在はNPO法人を立ち上げ、組織として運営を行っています。

 

この土地には、越中瀬戸焼の5名の作家が「かなくれ会」を結成し活躍する他、近年、「和紙」・「漆」・「金工」・「陶芸」の新たな作家もこの土地に工房を構え制作を始めています。

また、美と健康の総合施設「Healthian-wood」や、フランスの有名醸造家が手掛ける酒蔵「白岩」など、地域の新たな魅力が次々と生まれています。

 

立山Craftは、たった2日間のイベントに過ぎません。

しかし、開催に向けた様々な活動や開催当日の賑わいの中で、新たにこの魅力あふれる土地のストーリーをともに紡ごうとしてくれる同志が現れることを私たちは願っています。

また、立山Craftがつないだたくさんの温もりが、皆さんの生活に彩りを与え、地域と子どもたちの未来を豊かにしてくれることを期待しています。